ソリューション事業部/社内

OA定例の議題を、PMVIEWから自動で整理する
― 仕組みの説明

▶ 9/15定例 議題4件のまとめ(本体)はこちら

宛先: 佐藤様 / 報告: 桐山 / 2026年9月14日
対象: コスモスイニシア様 定例(2026年9月15日 15:00)の議題4件。実際にPMVIEWから取得して作成しています。

1全体の流れ

議題シートに書かれた案件IDを手がかりに、PMVIEWの履歴を引いて整理します。
赤い部分だけが人の仕事です。それ以外は自動で出ます。

① 議題シート 回答欄が空 または 「ZENBU回答予定」 の行から案件IDを拾う ② PMVIEW照会 VPS経由で案件を引く 件名/契約開始日/ 入居経過日数/入電履歴 ③ 整理・下書き 時系列/問題/原因 改善策(案) 回答の下書き ④ 人が最終チェック 改善策と回答は 必ず人が判断 誰の範囲かの判定も確認 ★ここだけが人の仕事 ⑤ 回答欄へ 議題シートの 「回答・結果」に 記入 自動で出るもの 時系列の並べ直し/入居からの経過日数/過去の同種案件との突き合わせ/議題シートと実態のズレの検出 人が決めるもの 改善策のどれを採るか/相手にどこまで言うか/「誰の範囲か」の最終判断/費用や運用変更をともなう約束
図1|①②③は自動。④だけが人の仕事です。⑤は人が確認したものを貼るだけ。

2出力イメージ(これは実物です)

9/15の議題4件のうち1件を、実際にPMVIEWから引いて作ったものです。文章は加工していません。

案件 20260826-0196-1 / 立体駐車場の暗証番号入力ボタンの反応不良 / センテニアル王子神谷
時系列
いつ誰が何が起きたか
8/26 受付入居者様暗証番号ボタンが1回で反応せず5〜6回押す必要があると連絡。2〜3週間前から発生、現地確認を希望
8/26 受付時OCセンター「社内へ報告し、現地確認・対応を行う」と回答。共用部か専有部かの切り分けは履歴上行われていない
8/26 受付時記録者不明受付記録に「折り返し不要」「現地対応時は連絡なしで可」の注記あり。誰の意向かは履歴に書かれていない
日時不明OCセンター「お手配先など対応について御教示願いたい」と照会(照会先の社名は履歴に無し)
日時不明OCセンター入居者様へコスモスイニシア コールセンター(平日10:00〜17:00)を案内し、了承を得る
日時不明OCセンター照会先へ「コールセンターを案内したので対応不要。完了とします」と連絡し案件をクローズ
クローズ後管理会社「立体駐車場は共用部。共用部管理会社を案内してほしい」と指摘。8/26に入居者様から直接連絡があり共用部管理会社を案内済みと回答
全期間ZENBU履歴6件のいずれにも駆けつけ手配・現地作業・業者名の記載なし。履歴上、弊社への手配の記録はない
問題

受付時点で共用部か専有部かの切り分けが行われないまま、入居者様に「社内へ報告し、現地確認・対応を行う」と回答しています(履歴1件目)。 その後あらためてコールセンターを案内したため(履歴3件目)、入居者様は窓口を移る形になりました。 コスモスイニシア様からは「立体駐車場は共用部になりますので、共用部管理会社をご案内ください」とのご指摘(履歴5件目)がありました。案内先が共用部管理会社ではなかったことになります。 さらに同じ8/26に入居者様がご自身でもコスモスイニシア様へ連絡され、そちらで共用部管理会社の案内を受けておられるため、結果として同じ用件で複数の窓口に当たられた状態です。

※ 履歴3件目には発信・入電の別が書かれていないため、こちらから折り返したのか、入居者様から再度ご連絡があったのかは分かりません。

原因

①履歴上、共用部かどうかの切り分けが行われた記載がない。履歴1件目で、症状を聞いた直後に対応を約束しています。(受付台本にその手順が有るか無いかは、履歴からは分かりません)
②案内先が「共用部管理会社」ではなくコールセンターになっている(履歴3件目)。なお履歴5件目はコールセンターに言及しておらず、「コールセンターが窓口ではない」と明記されているわけではありません。
③共用部管理会社の連絡先が履歴のどこにも出てこない。受付側の手元にその情報が無かった可能性がありますが、履歴にその旨の記載はないため断定はできません。

改善策(案)★人が選ぶ
案A 受付台本に「共用部チェック」を1問足す
機械式・立体駐車場、エレベーター、オートロック、宅配ボックス、共用廊下の照明などの一覧を受付画面に置き、該当したら現地対応を約束せず共用部管理会社を案内する。 影響:OCセンター様の受付運用なので依頼ベース。弊社の費用負担なし。ただしリスト作成には物件ごとの管理区分の情報が要るため、コスモスイニシア様のご協力が前提。効果が期待できる。
案B 物件情報に「共用部管理会社の連絡先」を持たせる
受付画面から見える場所に登録いただき、その場で正しい窓口を案内できるようにする。 影響:物件数分の初期登録がコスモスイニシア様側に発生。これが無いと案Aをやっても「共用部です」までしか言えず、窓口移動が1回残る。案Aと組み合わせて初めて効果が出る。
案C 切り分け前は対応を約束しない言い回しに統一する
一次回答を「現地確認・対応を行う」から「管理区分を確認のうえ、担当の窓口よりご案内します」に変更する。 影響:文言変更だけなので低コストで即日可能。ただし「すぐ対応します」と言えなくなるため入居者様の受け止めは下がる可能性があり、折り返しが1回増える。
回答の下書き ★人が最終チェック

本件は履歴を確認しましたところ、受付からご案内・完了まですべてOCセンター様とコスモスイニシア様の間でやり取りされており、弊社への駆けつけ手配は発生しておりません。 経緯を整理しますと、受付時点で共用部か専有部かの切り分けがないまま「現地確認・対応を行う」とご回答し、その後コールセンターをご案内したため、入居者様が窓口を移られる形になっております。 ご指摘のとおり立体駐車場は共用部ですので、受付時に共用部設備かどうかを確認し、該当する場合は共用部管理会社を直接ご案内する運用が有効と考えます。 ただし実行にあたっては、物件ごとの共用部管理会社の連絡先を受付画面から見える形でご登録いただく必要がございますので、その点はご相談させていただければと存じます。 弊社側でも、対応範囲表の該当記載をあらためて確認のうえ共有し、共用部の案件が駆けつけ手配として流れてきた場合は手配前にお戻しする運用といたします。

履歴からは分からないこと(確認が必要)
  • 受付からコールセンター案内までにどのくらい時間がかかったか(履歴に時刻の記録がない)
  • 「お手配先を御教示願いたい」という照会の宛先が、コスモスイニシア様なのか弊社なのか(社名の記載がない)
  • 共用部管理会社の連絡先が、OCセンター側の物件情報に登録されていたのかどうか(案Bの要否判断に必要)
  • 立体駐車場のボタン不良がその後修理されたか(引き継がれた先の結果は本案件に残っていない)
  • 同種の共用部案件が他に何件あるか(運用変更の優先度を決めるのに必要)
この実例そのものが、二重チェックで7か所直っています。
最初の下書きには「入居者様が『折り返し不要』と伝えた」「受付台本に手順がない」「コールセンターではなく共用部管理会社を案内してほしい(引用)」など、 履歴に書かれていないのに事実のように書かれた記述が7件ありました。 別の担当が履歴と1件ずつ照合して差し戻し、上の文面はすべて直したあとのものです。
※ 直した内容の例:「機械式駐車場」→ 履歴の表記は「立体駐車場」のみ/引用文を原文どおりに/「折り返しが発生」→ 発信か入電かは履歴から不明のため削除
ポイントは「分からないことを、分からないと書く」ことです。
履歴に根拠がないものは推測で埋めず、上のように確認事項として分けています。 ここを埋めてしまうと、定例で相手に指摘されたときに崩れます。

3人がチェックする所

出力のうち、そのまま使ってよい部分必ず人が見る部分を分けています。

出力の部分扱い理由
時系列そのまま使える履歴を並べ直しただけ。事実のみ
問題そのまま使える履歴の何件目に書いてあるかを必ず添えている
原因軽く確認読み取りが入るため。根拠は添えてあるので照合は早い
改善策(案)人が選ぶ費用・運用変更・相手への依頼を伴う。どれを採るかは判断
回答の下書き人が最終チェックそのまま相手に出る文章。約束が含まれる
誰の範囲か人が確認ZENBU/OCセンター/管理会社の切り分けは、間違えると相手への回答がひっくり返る
確認が必要なことそのまま使える「分からない」と書いてあるだけなので安全
今回の4件のうち、3件は「ZENBUの範囲ではない」という判定が出ました。 受付の仕方に関する指摘が多く、OCセンター様側の話とZENBUの駆けつけの話が混ざっています。 この切り分けを間違えたまま回答すると話がこじれるため、ここは必ず人が見る前提にしています。

4個人情報の扱い

PMVIEWの履歴には、個人情報がそのまま入っています。 今回取得した4件でも、入居者様の氏名・メールアドレス・電話番号、騒音案件では上階の入居者様の氏名と携帯番号まで含まれていました。
PMVIEWの生データ 氏名 ○○ ○○ メール xxxx@xxxx.com 電話 090-xxxx-xxxx 部屋番号 ○○○号室 VPSの中だけに置く 伏せる 資料に載せる形 入居者様 (メールは載せない) (電話は載せない) 物件名まで(号室は出さない) 定例の資料・議題シート 個人が特定できる情報はゼロ 案件の中身と経緯だけが残る 共有・転送しても事故にならない 出力前に自動チェックを通す
図2|生データはVPSの中だけ。資料に出る時点では個人情報が落ちています。

作成時に別の担当が個人情報の混入をチェックする工程を入れています。氏名・メールアドレス・電話番号・部屋番号が1つでも混じっていれば差し戻す仕組みです。

本日のセキュリティ打ち合わせで宿題になった「オペレーターが顧客情報を受け取ってから扱うまでの経路の整理」は、まさにこの経路です。あわせて整理できると思います。

5やってみて分かったこと

議題シートの内容と、PMVIEWの実態がズレていました。
騒音の案件(20260817-0870-1)は、議題シートでは「2回目の問い合わせ」と書かれていますが、 PMVIEWの件名は「上階からの騒音がひどい(3回目)」です。 議題を書いた時点から、もう1回入電があったことになります。

こうした「議題を書いた時点」と「今の実態」のズレは、人が全案件を追うと必ず漏れます。 自動で引くことの価値は、まずここだと思います。

取得できた4件

案件ID件名(PMVIEW)物件入居経過履歴
20260817-0870-1上階からの騒音がひどい(3回目)パークスリー高円寺169日7件
20260730-0780-1エアコン水漏れの件グランハイツ東中野516日20件
20260817-0352-2トイレのウォシュレットにエラーが表示されますグランハイツ代々木654日15件
20260826-0196-1立体駐車場の暗証番号入力ボタンの反応不良センテニアル王子神谷272日6件

「入居経過」は、契約開始日から案件発生日までの日数です。これが短い案件は入居時不具合の可能性が高く、費用の負担先が変わることがあります。自動で出せるので、判断材料として添えています。

この先できそうなこと

ただし、まずは1社(コスモスイニシア様)で回してみて、出力が実務に耐えるかを見てからが良いと思います。